0016 ビジョン短歌B16

Why Me? メハハラマラ Be Cause Me

空をにらんで 風と頷く


さて、これが今回公表する最後のビジョン短歌である。これは他のビジョン短歌とはいささか趣が異なる。今回紹介した中で、このビジョン短歌B16だけが、身体コントロール系だからだ。

ビジョン短歌B06では、誰かからのある行為を受信して、その行為が「許せない!」と憤って、「ノンメルシー」と唱え、でもアンチメルシーへつなげることによって解釈を介錯してしまう。

これは、一種の人為的な条件反射である。もともとの自然な感覚、つまりは生物科学的に正しい = 自律神経 にさからって、解釈を介錯し、別の解釈を人為的につくってしまう。認知の解釈に介錯を加え、ヒーローの解釈にバイパスをつなげ、認識してしまう。

イメージのいい言葉ではないけど、捏造ともいえる。

そして、このB16のビジョン短歌は、自立神経の制御に挑戦している。

一般的に自立神経の制御は不可能とされている。

心臓・血圧・汗腺・瞳孔・涙腺・皮膚の立毛筋などは、自分の身体ながら自分ではコントロール不能の身体器官だ。

人前でしゃべると緊張する、大事な交渉では頭が上手く働かない。思い悩む原因があって夜は眠れない、困ると冷や汗がでる、上司の前では肩がこる、どれも、自分で自分をコントロールできない状態だ。

そんな中、自律神経に直結してはいるけど、比較的自分で制御しやすい3つがある。その3つとは、姿勢・呼吸・表情だ。この3つを常に訓練しておく。

例えば、人前で話す時、すごく緊張している。身体から力をぬきたい、と思う。リラックスしようとする。これはそう簡単ではない。そんな時、どうするか?

肩の力を抜いて、とか、言うけど、それは無理だ。

逆に一旦思い切り身体中に力を入れるのだ。

ビジョン短歌B16は、まず、この語から始まる。

Why me ?  ⇒ 「なんで俺?」 と考える。

その上で、目 歯 腹 マラ 尾(尻の穴) 空 の順で力を入れる。

① 目 → 目に力を入れる、ぐっと見る、にらみつける感じ。何かをしっかり見る、目の焦点をあわせる。左右の眉根に力を入れる。まぶたをしっかりしまってみる。目を窓とすると雨戸やシャッターしっかりたたむ感じだ。鏡を見ながら、思い切り怖い顔・真剣な表情・相手に怒りを伝える顔をつくってみる。動画で30秒、睨んだ顔を撮影してみる。

② 歯 → 歯を食いしばる。思い切りぐっと力をいれて歯をくいしばる。顎をかみしめると同時に、頬に力をいれる。口を一文字にして口角を左右に耳にむかって引き絞る。頬に力を入れて表情を引き締める。舌に力を入れて、ぎゅっと歯を内側から押す。

③ 腹 → 腹筋である。腹筋に力を入れる。欲を言えば、「腹」一文字ではなく、「は」で腹を引っ込める腹筋、「ら」で腹を突き出す腹筋、その2種類を順番にしたいところだ。ただし、この「腹」を2段階腹筋にするには、ある程度の鍛練が必要である。

④ マラ → 貴男ならわかると思う。ぐぐっと下半身に力をいれる。(女性にも○トレ?とかいうのがあるらしいが、ここでは触れない)

⑤ 尾 → 尻の穴。④とはまたちょっと違った感覚。マラが前、尾が後ろ、である。

ここまで力をいれると、身体中に力が入る。

もし何かでリラックスしたかったら、おもいきり上から順番に力を入れる。メハハラマラビの順番で力を込める。一つひとつ順番でもいいし、累計にして重ねていっても良い。人によっては下(後ろ)から、尾・マラ・ハラ・歯・目の順番に入れるのが好き、という人もいるし、マラと尾の区別が難しいと言う生徒もいる。腹・マラ・尾は少しづつまざってしまうけど、それはそれで構わない。できれば順番に上から下、前から後ろ、累計でも順番でも、時には歯とマラだけ、目と尾だけ、みたいに試してもいいし、あるいはどれか一つだけ、3つだけやってみるのもありだし、一度に全てをやってみても良い。

目 歯 腹 マラ 尾 のどのパーツでもいつでも好きなように力を入れて操れるように、コントロール出来るようにトレーニングをするのだ。何度でも。

ビジョン短歌は1回マントラシャウトするのに3秒しかかからない。一日に何度でもマントラシャウトできる。

MKは時に生徒と教室で実践する。全員で立ち上がってメハハラマラビ、と唱えながら順番に力をいれてみる。やってみるとすぐわかるのだが、教室の中の空気にぐっと力が入って引き締まるのがよくわかる。一人一人の人間の緊張が教室内の空気を緊張させるのだ。20人の教室では20人分、そして100人の教室では100人分の緊張を感じ取ることができる。

で、メ・ハ・ハラ・マラ・ビ、までやったら、次は空である。

⑥ 空を思い切り睨む。

手始めに、天気の良い日に、空をにらんでみる。慣れないうちは、外にでたら一度はとにかく空をにらむ。真上を向いてみる。最初は腰をまげてしまう。それでも構わない。とにかく真上を見る、空をにらむ。思い切り頭を後ろに傾ける。顎を上げてこれ以上出来ない角度まで頭を後ろに傾ける。鼻から息を吸いながら。

慣れてきたら今度は腰を一切曲げずに空をにらむ。首だけ上げて真上を見る。

お勧めは鳥居だ。例えば明治神宮へ行く。遠くに鳥居が見えたら、その鳥居の下の横棒をみながら歩いてゆく。鳥居に近づくにしたがって自然に目線があがってゆく。鳥居の真下まできたらくぐる瞬間に首が垂直になって、自分の眼と鳥居の横柱をつないだ直線が、鳥居の縦柱と並行になるはずだ。この感覚を自分にインプットする。

あるいは、駅やデパートのエスカレーターに乗っている時、真上の照明を見てもいい。おもいきり、これ以上はのけぞれないくらいのけぞる、真上を見る。真上を見ることに慣れたら、今度は同時に胸を開く。(ただし足元にはくれぐれも注意して・・・)

<胸の開き方>

① 気を付け、の姿勢をとる。

② 上腕(肩から肘まで)は身体に密着させたまま両腕の肘から下だけを上げてゆく。

③ 両肘の角度が90度になるまで手の平を上げてゆく。

④ 両手の甲を上にして、まっすぐ前にのばす。

⑤ そのまま親指が上になるように手の平をかえしてゆく。手の平を、おもいきり、これ以上は回せない、という場所まで手の平をかえす。

⑥ 自然に、胸が開く。

慣れてきたら、⑤と同時に、息を吸う。ゆっくりと息を鼻から吸う。おもいきりゆっくり最後までもうこれ以上できない、というところまで鼻から息を吸い込む。

ここでマックスまで首肩腕手首に力を入れる。我慢出来るだけ力を入れてみる。例えばTVを見ていたらCMの間中、どのくらい出来るかやってみる。

耐えられなくなったら力を抜く。

脱力しながら、手の平を戻しつつ息をはく。イメージとしては、身体の中を風がふきぬけてゆく、それと同時に自分の中から余計な緊張が、不要な感情が二酸化炭素と一緒に一陣の風とともに流出・退出してゆく感覚、である。

ビジョン短歌B16を唱えながら、メハハラマラビ空、の順に力を入れ、全身に力を入れる訓練をしてから、脱力してゆき最後には息をゆっくりとはききれば、様々な場面での緊張を段階的に緩和できるようになってくる。作者は、これを繰り返すことによって、今ではどんな場面でもほぼリラックスできるようになった。

リラックスしなければ、という時には、リラックスしようとはしない。いきなり身体から力を抜こうとしてそれは出来ない、難しい。その代わりに、逆に思い切りメハハラマラビ空、の順で力をいれてゆく感覚を練習する。全身に力を入れる。これが自然に出来るようになれば、息を吐くタイミングで身体から力を抜くことができるようになる。

もう一度やってみよう。


① Why Me? → は、なんで俺が?

と思ったら、

ビジョン短歌B16 → ② メ・ハ・ハラ・マラ・ビの順番に身体に力をいれてゆく

そして、

③ Because Me → 俺だからさ といなおって

そして、 ④ 空をにらんで

とにかく首を思いきり上にむける。視線を完全に空にむける。

この時、あくまで、空を「にらむ」。 「天を仰ぐ」のではない。

ビジョン短歌の目的は、製造力の強化であり、闘争・闘い・挑戦の促進である。祈念諦念は排除する。空さえも睨んで自分の力の源とする。

貴男が今屋内であれば、天井を見る。証明とかスピリンクラーとか、通風孔でも空調でも何でもいい。とにかく自分の頭上の真上をにらむ。自分の眼と見ている天井の一点を結んだ直線が、左右の壁と並行線になることを意識する。天井をにらむ動作をしながら鼻から息を吸い込む。同時に肩を開き手の平を天井に向けて開く。

⑤ 風とうなづく 

吸いきったらこんどはゆっくり鼻から息を吐きながら傾けた頭を頷かせる。ここでの注意は元の位置に戻す、ではない。しっかり顎をひく。運命にむかって頷くイメージである。

この時に身体全体をさわやかな風がふきぬけてゆくことをイメージする。

身体から余計な緊張や毒素をすべて放出する感覚である。

繰り返しになるが、身体から力を抜くのは、いきなりリラックスすることは難しい。そのために逆の方法をとる。一旦身体中に順番にポイントを設定して思い切り力を入れることによって、順番に力を抜いてゆく訓練をする。いきなりリラックスしようとするよりはるかにやりやすいアプローチである。

呼吸も一緒。ゆっくりと全身から息を吐ききることによって、逆に深い呼吸が可能な身体をつくることができる。このビジョン短歌B17の特徴かつ利点は、簡単でいつでも、そして一日に何度でもできることだ。ビジョン短歌B17はプチ瞑想・マイクロ座禅・ミニ息吹である。座禅や瞑想と違って構えて実施する必要もなく準備もいらない。慣れてくると歩きながらでもできる。

そして、メハハラマラビ、までは、別に人前でも可能だ。それこそコンビニの列に並んでレジ打ちの順番を待ちながらでもできる。

ただ、空、だけは少し大げさな動作になってしまうので要注意。それ意外は会議中でも朝礼中で上司がしゃべっている時でもできる。

MKは研修講師として登壇している時、自分の肩に力が入り過ぎていると自覚する時がある。それ以外でも、講座の合間に一旦クールダウンの必要を感じた時は、目の前の生徒や受講者にむかってはできないので、ホワイトボードにむきなおった時にこっそり「空」まで唱えて 緊張→脱力のポーズはしている時がある。もしかしたら気付かれているかもしれないけど。ほんの3秒だ、

さて、このビジョン短歌B16はどんな時にマントラシャウトするか?

俺は誰だ? 何で俺なんだよ? お前、俺に言っているのか? 俺、一体今何をしているんだ? と思った時にこのビジョン短歌B16を唱える。

事情が許せば思い切り大声で唱えても(マントラシャウト騒)しても構わないが、多くの場合は心の中でとなえる。

そして、唱えながらこの順番で力を入れる。

これは、腹がたった時にも有効だ。イライラする、かっとなる、何か不愉快なイベントを認知する。あ、やば、怒ってるな、イライラしているな、と感じて、一呼吸おきたい時に、メハハラマラビ、と唱えながら全身に力を入れる。そして空をにらんで空気を取り入れ、一陣の風が身体を吹き抜けると同時に一緒にストレスを吹きぬけさせるのだ。

とは言うものの、これだけでリラックスできたり、これだけで怒りが収まったり、完全に平常心になれる訳ではない。

しかし、取り急ぎ、本当にカっとなった時に、条件反射的にやることがある。すると、自分の身体にしみこませたフレーズ、マントラブロックしたビジョン短歌を持っている、というのは、(少なくともそれを持っていない人間と比べれば)大いに有効だ。

イライラした瞬間にこのビジョン短歌B16をとなえた上で、自分の全身に力をいれて力をぬくと、それだけでイベントを受け止めるきっかけができる。

しかし、腹の底から怒りがわき頭にきてかっとなっていたとき、どこまでおさえる力があるか。

これは経験によるしかないのだが、ビジョン短歌を唱えていれば、その間クールダウンできる。

もちろん問題そのものが解決する訳ではない。あくまで初期対応を落ち着いてするための方便だ。

かつて作者は本当に頭にきて怒りに燃えて、でも怒りを表現・爆発させることができない状況において、ビジョン短歌オリジナル(そのころ、ビジョン短歌ビジネスはなかった)全33首を4回唱えたことがある。

そして、この時は、作者は、落ち着いて事態に対処することができた。

後から考えたのであるが、作者の場合は次の計算式が成り立つ。

3秒 × 33首 × 4回 = 396秒 = 6.6分

作者は、この時に自覚したのだが、どんなに怒りに燃えていたとしても、その怒りの炎は、

少なくとも作者の場合は、MAXで6.6分だった、ということだ。

そして、例えば次の日には、何であんなことにあそこまで腹がたったのだろう、とあきれ、かつ、ばかばかしいと考えたことである。

そしてその後、ビジョン短歌B02・ビジョン短歌B06を開発するにいたった。

今、はB02・B06・B16の3首をつかっている。

どんなにかっとなったり、イライラしても、それがずっと持続することはない。

とりいそぎ、あるイベントを認知して、やばい、大失敗だ! と解釈したらB02を、

こいつ、何者だ、ふざけんなよ、許せない!と認識したなら、B06を唱える。

そして心がおさまらない場合は、B16を唱える。

それでもだめなときは、マントラブロックしている全てのマイマントラを唱える。

そんなことをしている間に、必ず怒りは収まり、冷静になってイベントトラップが可能になる。信じられないかもしれないが、ビジョン短歌をマントラブロックすることによって、平均で、おおよそ半年後には、緊張を解いてリラックスしたり、怒りを抑え込んで冷静に対処できるようになれる。

東京遊学四季研究会 by 三冨 圭

遊学四季法の一般公開 ビジョン短歌Bとイデアフレーズのメソッドを一般公開しています